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電帳法が改正!何が変わって、何が出来るようになる?

 電子帳簿保存法が令和2年10月に改定されます。

 1998年に制定されたこの法律、正式には「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と言い、国税関係帳簿書類やそれにまつわる証憑を、電子データとして保存することを認めた法律です。

 施行前は、最低7年間、紙での保管が義務付けられていた国税関係の帳簿書類ですが、電帳法により電子データで保管する事ができるようになりました。

 以後何度か改定が行われ、要件緩和が進みました。

2005年の改定:コンピュータで作成した電子データでの保存が認められる

 電帳法は制定当初、コンピュータで電子データとして作成されたデータの保存のみが認められており、紙の書類をスキャンしての保存は認められていませんでした。2005年の改定ではe-文書法の施行に伴い、契約書や領収書については3万円未満であればスキャンしての保存が認められるようになりました。しかし当時は、電子データ作成のために仕様するスキャナに条件があったり、日本データ通信協会が認定する認証事業者の電子署名が必要であったりなど、改定を経ても、スキャナ保存が普及するにはまだまだ要件は厳しいものでした。

※e-文書法は2005年に施行が始まった「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つの法律の通称です。

※電子帳簿保存法の対象文書は、「国税関係の書類」ですが、「棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの決算関係書類」は対象外です。

2015年、2016年の改定:スキャンした電子データの保存が認められる

 それまであまり活用されてこなかった電子帳簿保存法ですが、2016年の改定を機に広く普及していくようになりました。

 2015年の改定では、スキャナ保存対象書類の3万円未満という金額基準が撤廃され、電子署名が不要になりました。続く2016年の改定では、仕様するスキャナの条件が撤廃され、スマートフォンやデジカメで撮影した電子データでの保存も認められるようになりました。

 また、電子データで保存している情報については原本の破棄が可能となり、膨大な紙書類の管理・保管にかかる工数削減に取り組む企業が増えました。

2020年の改定:電子データのクラウドを利用した授受・保存が認められる

 昨今の電子マネー普及を受け、電子取引を行った場合の保存要件について、2つの方法が新たに追加されました。

国税関係帳簿書類の保存義務者が電子取引(取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。)を行った場合の電磁的記録の保存方法の範囲に、次の方法を加える。
(1)発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合において、その電磁的記録を保存する方法
(2)電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含む。)において、その電磁的記録の授受及び保存を行う方法

財務省HP 令和2年度税制改正の大綱(6/9)

 これまでは電子取引を行った場合の保存要件として、受領した電子ファイルに受領側がタイムスタンプを付与する、もしくは改ざん防止等の観点から事務処理規定を作成して運用する方法が義務付けられていました。
 令和2年の改正により、電子取引においてタイムスタンプ付きの電子ファイルを受領した場合は、その電子ファイルをそのまま保存できるようになると考えられます。また、電子データとして受領する場合には、途中で改ざんできないクラウドサービスなどシステムを利用して授受及び保存を行う方法が認められると考えられます。

2020年の改正の経理業務への影響

 これまで人手で行う必要のあった紙の領収書・請求書等の発行や受領、その後スキャンする作業は不要となるでしょう。タイムスタンプ付きの電子ファイルや電子データでやり取りすることで、テレワークが実現し易くなると共に、効率化が期待できます。

 例えば経費精算業務であれば、コーポレートカードを導入することで経費利用情報は電子データとして自動で取得することができます。これまで発生していた経費利用者による申請書の作成や、手間のかかる証憑のスキャン・撮影などを省略することができます。また、カード会社から提供される利用データを活用し、経費精算業務のDXを加速することが可能です。

 企業間取引においては、請求書をPDF化しタイムスタンプを付与することで、受領側にもメリットが発生するため、電子ファイルによるやりとりが増えていくでしょう。結果として、印刷・発送などの業務を省略化することが可能となります。

 また、電子化することで承認や捺印などのプロセスもオンライン上で可能となるだけでなく、AIなどを活用することで一部のステップを自動化するなど、プロセスそのものを変革させることもできます。

 今回の改正により、経理業務は負担軽減と効率化を実現できるだけでなく、改ざんできない電子データを元にコンプライアンス強化につなげることも可能です。