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経費の不正による経営インパクトの実例

 交通費の上乗せ請求や請求書の偽造など、ある調査によると(※)、サラリーマンの24%が「不正経費申請」をしたことがあるという結果が出ています。

 小さな金額の段階で不正が検知されれば幸いで、バレないからと常習化してしまった場合、不正の金額は大きくなり、本人にとっても企業にとっても発覚後のインパクトは計り知れません。

 実例と共に、小さな不正を見逃したことによる、人生や経営への影響を考えてみます。

※2016年度「サラリーマンの経費精算に関する実態調査」レポートより(調査企画:株式会社コンカー/調査実施:株式会社マクロミル)

交際費の異常値を示す不正経費処理から発覚。不正行為による損害額の総額は約3,500万円

015年3月:製造企業において、元取締役と元社長の不当な賞与受給、領収書の偽造による交際費の着服、共謀による新規現地法人の設立と高額な製造発注などが、交際費の異常値を示す不正経費処理から発覚。不正行為による損害額の総額は約3,500万円。

月次損益報告にて交際費の異常値を認識、説明を受けたが回答に疑念が残り、内部調査委員会による現地調査を行った。結果、偽造した領収書を交際費として精算・着服のみならず、元社長という地位を利用した不当な賞与支給、また、元取締役と元社長が共謀し規現地法人の設立・利益分配を前提とした高額な製造発注をしていたことが判明。元取締役は辞任、元社長は懲戒解雇。損害額について全額返還、調査に係る弁護士費用なども元取締役および元社長に請求。 

経営責任として親会社の会長兼社長をはじめ取締役など、それぞれ月額報酬の10~50%削減(3か月)、監査役全員も10%削減を申し出た。

元執行役員が、会社資金を私的流用。被害額はおよそ440万円

2016年6月:人材関連会社において、元執行役員が、会社資金を私的流用。被害額はおよそ440万円。不正を行った当人は懲戒解雇となると共に、全額弁済。

元執行役員が、会社資金を私的流用。被害額はおよそ440万円。不正を行った当人は懲戒解雇となると共に、全額弁済。

また、不祥事件を未然に防止できなかった経営責任として、代表取締役会長は月額報酬の20%を返上(3か月)、代表取締役社長は月額報酬の10%を返上(3か月)。また、調査委員会の提言により、経理部門において複数名の増員と、社内規定類の整備と運用の変更。

元取締役経理部長による交際費名目での着服と、小口現金の横領。被害額は約3,200万円

2019年1月:不動産企業において、元取締役経理部長による交際費名目での着服と、小口現金の横領。7年間の被害額は約3,200万円。

監査法人より、前取締役経理部長の不正の疑いがあるとの指摘を受け、社内調査を行った。その結果、内部統制上必要な手続を行わず、交際費名目で複数回現金を支出、さらに年額約300万円から400万円程度の小口現金の横領が発覚。被害額は約3,200万円。

元取締役財務部長が業務上の懇談を装い交際費を私的流用。被害額は約 1,500 万円

2018年5月:インフラ企業において元取締役財務部長が業務上の懇談を装い交際費を私的流用。被害額は、約 1,500 万円。行為者は解任、刑事告訴すると発表。

匿名の通報があり調査した結果、開催の事実がない社内外関係者との業務上の懇談を装い、会社から支給された交際費を、私的な飲食費にあてるため着服。取締役の地位にあった行為者自らが決裁して支出していたため、稟議によるチェック・他部門による牽制もきかなかった。被害額は、約 1,500 万円。行為者は解任、詳細な調査が済み次第、刑事告訴すると発表。

社長・常務・本部長は10~20%の報酬減額(1か月)、相談役(前社長)は引責辞任。社長直轄の内部監査専門部門の設置。

子会社の経理部社員が振込データを改竄するなどして、会社の現預金から約4500万円を不正に着服

2019年1月:建設業企業において子会社の経理部社員が振込データを改竄するなどして、会社の現預金から約4500万円を不正に着服。事実を隠蔽するため伝票およびその付属資料の改竄を行っていることが判明。

勤務態度良好であった出納業務担当社員がが無断欠勤。不審に思った経営管理室長が親族に連絡を取り確認したところ、自傷行為により病院に緊急搬送されていることが判明。自傷行為の原因が「会社のお金を使い込んだことらしい」との報告を両親より受ける。調査の結果、「小口現金の着服および経費を支払ったことにして自分の口座に入金していた」という不正行為が発覚。初回着服金額は数十万円であり、徐々に着服金額が増加していった。

当該従業員は懲戒解雇、四半期報告書および決算短信を訂正、社長・副社長ともに月額報酬の20%減額(2か月)。

不正チェックは、悪を裁くためでなく、会社と従業員を守るため

 残念なことに、不正会計の事例は枚挙にいとまがありません。毎年どこかしらの企業で繰り返される不正会計ですが、往々にして最初の不正は出来心から生まれた小さな金額の不正です。

 その最初の不正が発覚しなかったことにより、金額は大きくなり、手口は大胆になっていきます。内部統制が厳格であったなら、チェック機能が働いていたなら、最初の不正を検知できていたなら、第三者委員会が立ち上がるような大きな事件にはならずに済んだはずです。

 金額が大きくなってしまった不正は、該当従業員の人生に大きな影響を及ぼします。懲戒解雇だけでなく、業務上横領・着服により刑事告訴される例も少なくありません。犯した罪の大きさに耐え切れず、自傷行為に及んでしまった例もありました。

 罪を犯した本人に責任があるのはもちろんですが、大事になる前に不正を検知することができなかったチェック体制にも責任の一端があるはずです。善良な人間がその弱さから最初の小さな不正を犯した段階で、チェック機能が働き注意してあげることができていたならば、その人は善良な人間のまま仕事を続けられていたはずです。

 また、不正会計は、罪を犯した従業員だけでなく、会社全体にも重い影響を与えます。会社としての信用の失墜は簡単にリカバーできるものではありません。また、社長を始めとした役員の減給、決算の修正、経費の承認手続きの見直し、経理部門の増員など、どれも長期にわたり会社の経営そのものに影響を及ぼします。不正のチェックは、悪人探しではなく、人と会社を守るために重要な業務なのです。