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人材不足!これからの10年を乗り越える、あるべき経理の現場とは

 新型コロナウイルスによるテレワークの普及や、テクノロジーの進化の方向性・速度を正確に予測できなかったように、これから先の10年間に、社会がどんな変化を迎えるのか正しく予測するのはおそらく至難です。ただ、大きな変革が始まっていることだけは確かでしょう。そこで本記事では、今から始まる激動の10年間を乗り越えていくために、経理の現場はどうあるべきかについてご紹介します。

10年後、経理の現場もデータドリブンになる

 2020年6月に自民党デジタル社会推進特別委員会は、デジタル技術で変革を促すデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を担う省庁の設置を求めました。1998年に制定された電子帳簿保存法は、2016年にデジタルカメラやスマートフォンで撮影した領収書のデータ保存を可能とし、さらに2020年10月の改正では、電子取引における記録に関する要件が緩和されます。

 あらゆる分野にデジタル化の波が押し寄せています。10年後には、企業はデータ経営が主流となっているでしょう。その際、経理の現場が求められるのは、経理担当者もまた、データドリブンで企業成長に貢献していくことです。経理の現場も、DXに真正面から取り組まなければいけない時期がきているのです。

今は、すべての情報をデジタル化できるようプロセスを整備する時期

 企業が競争力強化のためにデータ経営を推進するにあたり、数年後には、情報収集の重要性が増し、あらゆる情報がデジタル化されていることが前提となるでしょう。

 現状でも、企業には経理業務にとって有効な情報が多数あります。課題はそれらを活用できていない点ですが、その原因のひとつは、情報がデジタル化されていないからです。紙に記録された情報が散財している状態では、情報を分析したり比較したりするために人手も時間も必要な上、精度や効率にも課題が残るでしょう。

 新型コロナウイルスにより訪れたニューノーマルで企業のDXは加速します。情報のデジタル化は急務であり、現状、情報をデジタル化するための仕組み作りに各社が取り組んでいる段階です。企業としても、従業員としても、新しい時代を生き抜くためには、デジタル化の波に乗り遅れてはなりません。

経理担当者にも、ITの知識や業務改善のノウハウが必要になる

 DXのためのソリューションやソフトといった製品は既に多数存在しています。例えば経費精算という目的だけでも、40以上の多数の製品が存在しています。

 ですが、優れた製品があるからと言って、それだけでDXが完了し、デジタル化した情報を有効活用できるようになるわけではありません。その製品を利用して新たなプロセスを構築し、さらには製品内に蓄積したデータをどのように取り出し、どう活かしていくかを考える必要があります。ITの知識や、ITの活用を前提とした業務改善ノウハウが必要になるのです。

 以前の経理担当者には、経理業務のための専門知識が必要でしたが、DX時代の経理担当者には、ITの知識と、業務改善のノウハウが必要となります。淘汰の時期とも言える今はまだ、優れた製品はあっても活用できていないのが実態と言えるでしょう。

データ分析のスキルを持った人材が求められる

 やがて訪れるデータ経営の時代のために、今は環境を整えていく時期であり、経理の現場にも、経理業務プロセスのDXを推進できる人材が求められます。

 さらに、情報がデジタル化された後は、アナリティクスやデータ分析のスキルを持つ人材が求められるようになるでしょう。これまで人間が目検で行ってきたような単純作業はAIに置き換えられ、これから先、人間に求められるのは、データを元に思考し、企業に貢献することです。

 しかし、経理の現場で経理スキルを磨いてきた人にとって、ITの知識について学ぶ機会はほとんどなかったのではないでしょうか。なぜならコロナ禍で分かったように、経理の現場は、最もデジタル化しにくい部署のひとつだったからです。

全部署と横断的に関わりのあるため、経理業務は変革が難しい

 経理部のデジタル化が進まない理由のひとつは、日本企業の商習慣に紙文化が深く根付いていることが挙げられます。そういった商習慣や文化を牽引していくような大企業においては、立場が高い人ほと年配で、紙での押印・承認・回覧が当たり前になっています。彼らにデジタル化の重要性を説き紙文化を覆すのは、簡単ではありません。

 また、経理が携わる仕事において、経理だけで独立しているものはほとんどありません。ほんの一部をデジタル化しようとしただけで、他部署との調整が必要となり、会社全体での大掛かりなプロセス改革が必要なります。

 このような理由により、経理プロセス全体でEnd to Endでデジタル化できている企業は今はまだほぼないと言えるでしょう。

経理システムは場当たり的な改善を続け、肥大化している

 とは言え、業務効率化のために複数のシステムやRPAを導入している経理の現場も少なくありません。しかし抜本的な対策が取られないまま場当たり的に行った改善では、パッチワークのように複数のシステムが存在することも普通です。肥大化してしまったシステムを変えるのは容易ではなく、基幹システムを丸ごと入れ替えるとなると、大企業では数十億単位のコストとなります。

 結果、思うようにデジタル化を進められず、旧来の業務プロセスのままで取り残されてしまい、その中で現場の経理担当者達は疲弊しているのです。

変化できない企業からは、優秀な人材が去り、成長することはできない

 データ経営へと舵を取れないのは、これからは組織としての問題です。付加価値が出せない単純作業を人間に続けさせるその組織体質そのものを見直す必要があるのです。

 情報のデジタル化すら進まない古い体制を続けると、優秀な若者ほど、その状況に失望し辞めていきます。改革の進まない現場に残るのは、就職氷河期前後に入社した、その中でも成長意欲の低い人材です。せっかく入った会社だからと腰は重く、転職するにも給与は上がり過ぎ、さらにはその会社の経理に特化したスキルのみを極めているような状態では、転職するハードルは高いはずです。 このような組織が競争力を維持するのは難しいでしょう。

組織としてデジタル化に取り組めるか否かがキーとなる

 組織として、これからの10年間、真摯にDXに取り組まなければ、文字通りその企業に未来はないでしょう。コロナ禍を機に電子捺印や電子契約など、紙ベースからの脱却が進んでおり、DXの波はもうそこまで来ています。

 情報をデジタル化した先には、AIが待っています。必要な情報をデジタル化することで、AIが代替できる作業はAIに任せることができるようになります。人間はより生産性の高い業務に従事しなければ、生き残れない時代です。経理部だけでなく、経営企画部やDX推進部などが一丸となって、新しい時代に向けて変革を進めることが、これからの10年間の経理の現場のあるべき姿ではないでしょうか。